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NZカンタベリー地震と建築物の被害について
第1回 NZの地震環境とカンタベリー地震の概要 第2回 ニュージーランドの免震構造物 第3回 クライストチャーチ地震による構造物の被害―前半― 第4回 クライストチャーチ地震による建築物の被害―後半-
齊藤 賢二

(さいとう けんじ
/ Kenji Saito)
株式会社NTTファシリティーズ総合研究所
建築構造技術本部 本部長

 

< 略 歴 >

1980  東北大学工学部 建築学科 卒業
1982  東北大学大学院 工学研究科 終了
1982  日本電信電話公社 建築局 入社
2007  株式会社NTTファシリティーズ 建築事業本部 構造エンジニアリング部 部長
2008  博士(工学) 東北大学
2012  株式会社NTTファシリティーズ総合研究所 建築構造技術本部 副本部長
構造設計システム部 部長(兼務)を経て現在にいたる

第2回 ニュージーランドの免震構造物

はじめに

今回は、ニュージーランドの免震構造物の紹介を中心にお話したいと思います。最後の部分では、初期の免震構造の発展において非常に大きなインパクトを与えたと思われる3つの重要なプロジェクトを紹介させて頂きます。

前回書いたたように、ニュージーランドは日本と同じようにプレートの境界部にある地震国で、プレートが交叉する複雑な場所に位置しています。北島の南端にある首都ウェリントンは、まさに活断層上にあり、国の重要施設も数多く集中しています。したがって、免震構造物も同市及びその周辺地域に数多く建設されています。

鉛入り積層ゴム支承を用いた免震建築物

ウィリアム・クレイトンビルは、公共事業開発省により1978年に着工し、1981年に完成した鉛プラグ入り積層ゴム支承(LRB)を採用した世界最初の免震建物です。日本の積層ゴム支承は、水平荷重と変形特性に方向性が無い、つまりどの方向から支承を押してもまったく同じように変形するとの理由から円形のものが主流ですが、ニュージーランドでは正方形のタイプもよく採用されています。正方形のタイプが採用されている最も大きな理由は、免震支承は当初橋梁を対象に開発されてきたためと思われます。また、円形と比較して正方形の方が確かに製造も容易で、ゴム等の材料の無駄も少ないと思われます。ここでちょっと話が脱線しますが、以前ある積層ゴム製作工場を訪れたことがあるのですが、そこではゴムをドーナツ状ではなく扇形に裁断していました。確かにこの方が大きなゴムシートからより効率的にゴムを裁断できるので、なるほど考えたものだとつくづく感心させられたことを覚えています。組み立て時は一層のゴムがバラバラなので見た目は不安な感じですが、加硫後には全て一体となるので問題ないということです。さて、また建物の話に戻ります。建物と擁壁との免震クリアランスは200mm確保されていますが、一部に地震後の補修もやむを得ずと思われる納まりも見受けられました。このビルに限らず、ニュージーランドの免震建物では地震後の補修を前提としたクリアランスの納まりが多々見受けられます。やはりこれは、費用対効果を考えての判断であると思われます。日本でも免震用のエクスパンション金物は結構コストが掛かるものです。場合によっては免震装置のコストに匹敵するようなこともあります。そうなってくると、「壊れたら直す」というのも一つの答えであると思いますが、地震時の安全性確保のため最低限の配慮は必要と思います。

ニュージーランド国立博物館は、1998年2月に完成した免震建物です。この建物は、平面形状が複雑で人の動線も入り組んでおり、サイスミックギャップの処理が設計上の大きな課題の一つでした。現地でいろいろと説明を聞いたところ、やはりこの建物でも基本的に普段の使い勝手を優先するとの方針で、地震発生時にはサイスミックギャップを壊す設計としているとのことでした。サイスミックギャップのディテールについては日本との考え方の違いを強く感じましたが、人口の少ない国(約350万人)でこれだけの規模の建物を率先して免震建物にするというパイオニア精神には大いに見習うべきものがあると思います。著者はこの建物を、完成間もない1999年と2003年の2度訪問しています。2度目の訪問の時には、前回紹介したロビンソン博士の功績を紹介するコーナーが地下の免震ピット内に新設されていました。ニュージーランドにおいて博士の功績がいかに高く評価されているかを改めて知る機会となりました。

Hutt病院手術救急看護棟も、第1回目訪問当時は完成して間もない免震建物でした。この建物から約1kmほど離れたところに活断層が存在し、万一その断層がズレて地震が発生しても、継続的に病院として機能できるよう設計されています。設計者からいろいろと説明を伺い、ニュージーランドの設計用入力地震動予測技術も当時それなりのレベルであったように記憶しています。

ウィリアム・クレイトンビル全景/保健省が入っている

鉛プラグ入り積層ゴム支承/積層ゴム支承は当初橋梁用であったため初期の免震建物にも四角い支承が用いられた
ニュージーランド国立博物館/愛称Te Papa Tongarewa
(この土地の宝物のある場所)
あるいはOur Placeと呼ばれている
国立博物館地下免震ピット/免震構造の解説とともに
Dr.ロビンソンの功績を讃える展示が多数ある、
1999年訪問時は無かったがその後に整備されたようである

二重柱方式の免震建築物

ここでは、特殊な免震構造の事例として、二重柱方式の免震建物を紹介します。

二重柱方式免震建物の免震機構は、建物を支持する杭を地盤中で水平方向にフレキシブルに変形できるようにして、地震による激しい揺れが直接建物に伝わらないようにするものです。杭は水平移動を吸収できるよう鞘管に収められています。また、他のタイプの免震装置と同様に、地震エネルギーを吸収して水平変形を抑制するためのダンパーも別途設置されています。ダンパーとしては、ロビンソン博士により考案実用化された鉛押し出しダンパーや鋼材の塑性変形を利用したダンパーなどが用いられています。ここで余談ですが、鉛押し出しダンパーには2種類あります。最初博士が考案したものは、外側のシリンダーの中央部を絞り込んで(オリフィス)、この部分を鉛が押し出される時に塑性流動を起こしてエネルギー吸収させるというものでした。その後、内部を貫通するロッドの中央部を他の部分よりも大きくし、ロッドの動きに応じてこのロッド拡大部分で鉛に塑性流動を起こさせるというタイプに改良されました。博士自身も、最初のタイプは動きがスムーズでなく性能の面でもあまり良いものではなかったとおっしゃっていました。

オークランドのWaitemata港にある1983年に完成した12階建てのユニオンハウスは、二重管方式免震構造を世界で初めて採用した建物です。この建物では、地表面位置で杭の頭部を鋼製の片持梁ダンパーに固定し、鋼材の塑性変形により地震エネルギーを吸収消費するシステムをとっています。免震構造では、上部建物の水平剛性を高める程、より大きい免震効果を得ることができます。そのため、この建物でも外周に鋼製のブレースを設け、大きな水平剛性を確保する構造計画となっています。基本計画段階では、耐震壁付ラーメン構造や外周骨組の柱梁の断面を大きくする方法等も検討されたとのことですが、窓が多く明るい感じを与える外観をもち、しかもプレキャスト部材を最大限利用できる等の理由により外周ブレース方式が採用されました。この建物では、免震技術の採用により総建設コストが7%削減できたと言われています。

ウェリントン中央警察署ビルは、ユニオンハウスとよく似た構造で1991年に完成しました。このビルは、重要度や地震危険度の違いにより、ユニオンハウスよりもより厳しい条件で耐震設計されています。特に、地震時にはより多くのエネルギー吸収を必要としたため、鋼材ダンパーよりもエネルギー吸収効率の高い鉛押出し型ダンパーが採用されています。また、上部構造は外側構面全体にブレースを配した鉄筋コンクリート構造とし高い水平剛性を確保することで、免震効果を高めています。計画当初は、目標耐震性能に対してブレース付きラーメン構造や純ラーメン構造等の耐震構造も比較検討されましたが、基礎構造として杭基礎の採用が不可欠であったことから、二重柱免震構造が最も効果的・効率的な構造形式であるということで採用に至ったようです。この建物でも、免震化により、10%のコスト削減ができたと言われています。建設後の地震リスクを考慮すれば、コストメリットは10%どころでないことは言うまでもありません。余談になりますが、この建物の免震層に入るためには容疑者取調室を通る必要があります。私が訪問した時、運良く取り調べは行われておらず、取調室の机を踏み台にして免震層に入ることができましたが、正直言って取調室を通るというのはちょっといやな気持ちになったことを覚えています。ニュージーランドは世界でももっとも犯罪の発生の少ない国なので、この取調室もめったに使われることがないのかもしれません。

ここで紹介した免震構造方式は、大胆かつユニークな発想によるものであり、さらにそれを実現するという設計者の熱意には、深い感銘を受けました。また、一般建物より高い耐震性能目標を前提とした場合、免震構造の特徴を生かす建築計画を実践することで、より高い耐震安全性を確保しつつ、コスト的には従来の耐震構造と同等かむしろ安くできることを実証する好例ではないかと考えます。

ユニオンハウス

鋼材ダンパー/右上に見える台形状の鋼板が曲げ変形することで揺れのエネルギーを吸収する
ウェリントン中央警察署

左上:杭と上部構造の接続部/右上:免震機構モデル図
左下:鉛押し出しダンパー/右下:鉛押し出しダンパー断面図

ニュージーランドにおける免震レトロフィットの事例

阪神淡路大震災以降、1981年施行の建築基準法以前に設計された建物の耐震診断・補強の必要性が改めて見直され、特に重要な建物や公共性の高い建物を中心に、耐震診断および必要に応じて耐震補強が広く行われるようになりました。耐震補強は、一般的には耐震壁や鉄骨プレースを増設して行いますが、補強により外観のデザインを変えたくない場合や工事中も建物を継続使用したい場合、あるいは病院や庁舎のように大地震後も建物の機能維持が特に重視される場合などでは、通常の補強方法では一般的には対処が困難となります。そこで登場したのが、既存建物の免震化(免震レトロフィット)の技術です。ここでは、ニュージーランドにおける免震レトロフィットの事例を紹介します。

ニュージーランドの国会議事堂および国立図書館は、1922年に完成した組積造の建物です。その後、ウェリントン断層から極めて至近距離にあることから耐震補強の必要性が認識され、外観を変更しないという条件から最終的に免震レトロフィットによる耐震改修が決定されました。国会議事堂は、申し込めば誰でも見学できるようになっていて、この建物の免震化工事についても専担の説明員から分かり易い説明を受けることができました。ただし、2001年9月11日に発生した米国同時多発テロ事故以降、免震層も含めて内部の見学は一切できなくなっています。著者も2回目の訪問では外観のみの視察となってしまいました。この事例では、サイスミックギャップをデザイン的に少しでも目立たないようにしようとする工夫を随所に見ることができました。ただ、外構の犬走り部分の収まりについては、どう考えても地震時にうまく動くとは思えませんでした。それはさておき、国を代表する最重要施設に真っ先に免震レトロフィットを採用するという関係者の英断には敬服するばかりです。

ニュージーランド国会議事堂/左側にあるのは議員会館、
Beehiveという愛称で呼ばれている
免震ピット/免震工事のプロセスがよく分かるように
展示が工夫されている
免震部と非免震部との境界部分/外装部分は比較的スマートに
収まっているように見えた
外構部分の免震ギャップの収まり/地震時にどの程度機能するかは疑問が残った

旧ニュージーランド銀行本店ビルも、免震レトロフィットにより耐震改修された建物です。このビルは、外観部分をそっくり保存することを条件に、オーストラリアのデベロッパーが1NZ$で購入したことで、地元でも話題を集めた建物です。同じレトロフィットといっても、国会議事堂が上部構造にはほとんど手を付けていないのに対し、この改修工事は外壁部分以外はほとんど全面改築といった感じでした。免震レトロフィットといえども、既存の上部構造はある程度の強度を必要とします。しかし、この建物の場合は強度が極めて低く、大規模な躯体補強を必要としたようです。この現場では、柱梁等の部材のほとんどがプレキャスト化されており、また型枠も木製以外の捨て型枠を利用するなど廃材が極力出ないように工夫されていました。これらのことからも、ニュージーランドの環境保護に対する意識の高さを伺い知ることができました。もし日本ならば、外壁面だけ取り外し全て建て替えてから元の外壁を改めて取り付けた方が早くて工事費も安いだろうと想像しましたが、環境負荷や人件費などの条件を勘案するとそういったやり方は得策ではなかったのでしょうか。2回目訪問の時には、この建物はファッションモールを含んだオフィスビルとして見事に蘇っていました。またこの近くでは、新に海事博物館が免震レトロフィットにより耐震改修されていました。

旧ニュージーランド銀行本店ビルレトロフィット工事/日本でいうレトロフィットとはやや異なり薄皮一枚残しての大改築
旧ニュージーランド銀行本店ビル/レトロフィット後は
ショッピンモールとして蘇った
ニュージーランド海事博物館


海事博物館の免震層/免震工事が終わった直後にしてはピット内が雑然とし、
積層ゴムも泥まみれになっていたのには少々驚いた

世界で初めて鉛入り積層ゴムを用いた免震橋

ニュージーランドでは、1973年以来50橋以上の道路橋や鉄道橋が免震設計されています。橋梁免震では、鉛プラク入り積層ゴム支承がもっとも多く採用されています。もともと、積層ゴム支承は温度変化による橋桁の伸縮を吸収するためにだけに利用されていましたが、鉛プラグを挿入して高い履歴減衰特性を与えることにより、僅かな費用で免震支承としても優れた耐震性能を発揮できるのです。阪神淡路大震災においても、この鉛入り積層ゴム支承を用いた道路橋は優れた耐震性能を実証しました。Toe Toe橋は、世界で初めて鉛入り積層ゴム支承を免震支承として採用した道路橋です。筆者らがこの橋を見学中、何台もの大型トラックが通過していきましたが、その度ごとに支承の変形する様子を確認することができました。橋の構造は山形鋼によるトラス構造となっていて比較的剛性が小さい構造で、トラック通行の度に大きく変形します。積層ゴムは、大型車両通行時の変形をうまく吸収するうえでも、とても効果的に機能していました。

Toe Toe橋/世界初鉛入り積層ゴム支承を用いた免震橋
鉛入り積層ゴム支承

免震構造の発展に強いインパクトを与えた3つのプロジェクト

ここでは、ニュージーランドに限らず初期の免震構造の発展に強いインパクトを与えたと著者が勝手に判断する3つの免震構造物を紹介します。

1.ニュージーランドの免震鉄道橋

South Rangitikei橋は1981年に開通した単線の鉄道橋です。この橋では、橋脚の足下に設置した引き抜き力抑制装置により、橋軸直角方向にロッキング振動(ステッピング)することで地震エネルギーを消費吸収する、非常に特殊な免震機構が採用されています。この橋のように、アスペクト比(高さ/幅の比)が大きな構造物は水平力を受けると橋脚に非常に大きな引き抜き力が発生し、その処理が大変難しくなります。しかし、この問題に対して、力ずくではなく思い切った発想の転換により問題を解決した設計者の発想と、その発想を理解し彼らをバックアップした関係者の英断には、ただただ敬服するばかりです。この橋の設計者の1人であるRichard氏が現地を案内してくださいましたが、設計や現場監理をしていた頃の思いで話を語る姿はとても生き生きと見えました。話が少し脱線しますが、この工事に携わっていた労働者の多くはイタリア系の移民で、彼らは何もない現場で毎晩度数が猛烈に高いブランデーを飲んで疲れを癒していたそうです。それにしても、ブランデーとは豪勢な話です。ニュージーランドでは造っていませんから、きっと本国から輸入したものでしょう。この鉄道橋は、周囲の大自然と調和一体化した素晴らしいものだと思います。現地まで首都ウエリントンから車で数時間かかりますが、構造技術者とって一見の価値は十分にあると思います。

South Rangitikei橋/ステッピング機構という斬新なアイディアを取り入れた免震鉄道橋
ロッキング振動(ステッピング運動)の説明図

South Rangitikei橋/橋桁の内部

South Rangitikei橋/橋脚足元の鋼製ダンパー、
左は設計者のRichard氏

2.スコピエの免震小学校

マケドニア共和国の首都スコピエは、1963年の地震で 壊滅的被害を受けました。そのような状況下で、スイスの援助により1969年、地震対策用として世界で初めてゴム支承を採用した免震建築物、ハインリッヒ・ペスタロッチ小学校が完成します。壁式RC造3階建の校舎に使用された免震装置は、厚さ 7cm一辺70cmの正方形のゴム板を 5枚貼り合わせたゴムの塊で、約50トンの荷重によって写真のように膨らんでいます。この膨らんだ形状は、何故積層ゴムなのかを説明した免震構造の解説書によく出てくる形そのままです。この手作りのアイソレータ、クリープ対策用の手の込んだ基礎、既に苔むした風揺れ拘束用の泡ガラスブロックなどから世界初挑戦として三次元免震に取り組んだ技術者の熱意が伝わってきます。近年、このゴム支承は一般的な積層ゴム支承に取り替えられたようです。これもユネスコを中心とした援助によるものと思われます。筆者も、あまり年が行かないうちに是非一度この小学校を訪れてみたいと考えています。

ペスタロッチ小学校/右上:建物外観、左上:建物断面図、
左下:ゴム支承、右下:ゴム劣化による縦方向のクラック
【スコピエ大学地震工学研究所HPより:www.iziis.edu.mk】
ゴム支承から積層ゴム支承への取り替え工事の様子
【スコピエ大学地震工学研究所HPより:www.iziis.edu.mk】

3.ソルトレイク市郡庁舎の免震レトロフィット

耐震性能の劣る既存建物を免震構造により改修する免震レトロフィットは、当初は米国の独壇場でした。ここで紹介する世界第一号の適用例となったソルトレイク市郡庁舎はあまりにも有名ですが、文化財的価値の高い歴史的建造物の改修に免震レトロフィット工法は特に最適な耐震改修方法です。カリフォリニア州ではオークランド、サンフランシスコ、ロサンゼルスと各都市のシンボルである市庁舎が続々とレトロフィットされています。米国での免震レトロフィット建築は、いずれも芸術性・資産価値ともに高く、見応えがあるものが数多くありますが、その中でもソルトレイク市郡庁舎は周辺の豊かな環境とも調和し最も美しい建物です。ただ、これらのレトロフィット建築は程度の違いはありますが、もともと極度に耐震性能が低いために免震化だけでは必要な耐震性能を確保できないものが多く、内部の居室以外の部分には相当量の鉄骨補強が施されています。一般にどの庁舎にも建物中央にシンボリックな搭がありますが、塔の足元の部分は特に大きな地震力を受けるため、ほとんどの場合この部分は頑丈な鉄骨ブレースなどで補強されています。

ソルトレイク市郡庁舎


免震ピットと免震装置/四角形の鉛入り積層ゴムを使用、
初めてのレトロフィットということで随所に
工事中の悪戦苦闘の跡が窺える

おわりに

ニュージーランドの総人口は静岡県一県の人口にも満たない360万余りですが、世界に先駆けて10棟以上の免震建物と50を超える免震橋梁の建設は、免震構造発祥の地として面目躍如たるものがあると思います。また、経済的にあまり恵まれていない中で、技術者達が自らの創造の才をフルに発揮して、新しい技術に果敢にチャレンジする姿勢に著者自身も大いに刺激を受けました。

さて、いよいよ次回は今回のブログの主題であるNZカンタベリー地震における建築物などの被害状況についてお話しをさせて頂くことにします。

参考文献

1)
スコピエ大学地震工学研究所HP http://www.iziis.edu.mk