一貫構造計算プログラム SEIN La CREA

適用範囲

構造物の形状

構造物の形状 構造物の形状に対する制約はありません。本プログラムでは、弾性解析および弾塑性解析ともに立体フレームモデルを用いており、線材にモデル化可能な構造物については、全て計算することが可能です。

部材の配置についても層やフレームにとらわれる必要はなく、例えば、複数階にまたがる柱やブレースを1つの部材として入力、ブレースを床面内に配置して水平ブレースとして計算することも可能です。

構造種別

構造種別は、S造、CFT造、RC造およびSRC造を対象としています。※

層毎に構造種別が異なる場合、同一層に異種の構造種別が混在する構造物についても計算することができます。なお、建築基準法による耐震計算ルートの判定に用いる階毎の構造種別は、構造モデル化の共通条件において設定する構造種別を採用します。この構造種別は、必要保有水平耐力計算時における構造特性係数の算定にも使用します。

  • ※2013年6月現在、大臣認定はRC造/S造について取得しています。混合構造については認定プログラムの適用範囲外です。
  • ※SEIN La CREA-LEはS造およびRC造のみの入力です。CFT造、SRC造は扱えません。

使用材料

①コンクリート
②鉄筋
③鉄骨鋼材
④高力ボルト

各材料の標準的な種類については、その特性値がデータベースとしてプログラム内に準備されています。プログラム内に準備されている標準的な種類以外の種類を使用する場合には、まず[標準材料コマンド]を用いて使用する材料の情報をデータベースに追加登録します。一端登録したデータは、他のデータベースと同様に利用することができます。

データベースとして登録されている材料の符号は、建物データ入力時の選択項目データ情報として画面上に表示され、入力項目が選択されるのに合わせて自動的に絞り込まれます。このとき、[標準材料コマンド]を用いてそのプロジェクトで使用する材料を個別に指定することができ、更に表示データを限定することもできます。

認定プログラムとして利用する場合は、あらかじめプログラムに登録されている鉄筋材種および鉄骨材種のみ使用可能です。

荷重条件

① 水平力を計算するための節点重量の算定
② ねじれ振動解析用の重心と慣性モーメントの算定
③ 常時荷重の算定
④ 地震荷重の算定
⑤ 風荷重の算定
⑥ 積雪荷重の算定
⑦ ユーザー定義荷重の算定

常時荷重、地震荷重、風荷重、積雪荷重およびユーザー定義荷重では、任意の節点・部材追加荷重を他の荷重とは独立して考慮することができます。ユーザー定義荷重では、任意の層単位の水平荷重を設定できますが、節点・部材追加荷重のみの荷重と定義することも可能です。

また、各荷重に属する条件設定機能の一つとして部材剛性の修正機能を持っており、各荷重に対する部材のひび割れ状況等に合わせ、荷重毎に固有の部材剛性を設定できます。

なお、積載荷重および地震力を算定するための固定荷重に含めるべき節点・部材特殊荷重については、建物データモードにおいて入力する必要があります。

使用可能な部材形状

S造 ①フルウェブタイプのH形断面。フランジについては、上下で異なる形状を使用することができます。
②i端、j端にそれぞれ独立の水平ハンチ、鉛直ハンチを設け、断面を変えることができます。
③継手を設け、断面を変えることができます。
RC造 ①長方形
②i端、j端にそれぞれ独立の水平ハンチ、鉛直ハンチを設け、断面を変えることができます。
SRC造 ①コンクリート断面:長方形
②i端、j端にそれぞれ独立の水平ハンチ、鉛直ハンチを設け、断面を変えることができます。なお、ハンチ始端位置は、コンクリート部分と鉄骨部分で同じ位置とします。
③鉄骨断面:フルウェブタイプのH形断面
④鉄骨部分に継手を設け、断面を変えることができます。
S造 ①フルウェブタイプのH形断面形と十字形断面形、角形鋼管、円形鋼管
②柱脚部、中間部、柱頭部において断面寸法を変えることができます。
CFT造 ①鉄骨断面:角形鋼管、円形鋼管
②柱脚部、中間部、柱頭部において断面寸法を変えることができます。
RC造 ①長方形、円形
②柱脚部、中間部、柱頭部において配筋を変えることができます。
SRC造 ①コンクリート断面:長方形、円形
②柱脚部、中間部、柱頭部において配筋を変えることができます。
③鉄骨断面:フルウェブタイプのH形断面形、十字形断面形、T形断面形
④鉄骨部分は、柱脚部、中間部、柱頭部において断面寸法を変えることができます。
耐力壁項目項目 ①壁厚さは、120mm以上
②開口を設けることができます。(ただし、耐力壁と見なす判定基準以内の大きさとします。)
③曲面となる壁は本プログラムの適用対象外です。
非構造壁
(腰壁、垂壁、袖壁、フレーム面外壁)項目
①壁厚さをゼロとして仕上重量のみを設定することにより、固定荷重のみに考慮される乾式壁を定義できます。
②③曲面となる壁は本プログラムの適用対象外です。
ブレース S造 ①山形鋼、溝形鋼、H形鋼、平鋼、丸鋼、角形鋼管、円形鋼管
②断面寸法は、部材全長について同一とします。
RC造 ①長方形
②断面寸法は、部材全長について同一とします。
SRC造 ①コンクリート断面:長方形
②鉄骨断面:山形鋼、溝形鋼、H形鋼、平鋼、丸鋼、角形鋼管、円形鋼管
③断面寸法は、部材全域について同一とします。
スラブ ①スラブ厚さは、等厚とします。
②荷重の伝達方向は、両方向または片方向が選択できます。
③スラブ厚さをゼロとして仕上重量のみを設定することにより、固定荷重のみに考慮されるスラブを定義できます。

使用上の制限および準拠する基規準等

使用制限 建築物の規模 国土交通大臣認定構造計算プログラムとしての建築物の規模の制限は、以下とします。
高さ:60m 以下
仕様規定 国土交通大臣認定構造計算プログラムとして利用する場合、入力編 1.11 認定/非認定運用 の仕様規定に準ずる必要があります。
基規準等 法令等 ①建築基準法・同施行令および関連告示
日本建築学会諸規準 ①[鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説1999]
②[鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説1991]
③[鉄骨鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説2001]
④[鋼構造設計規準2002 SI単位版]
⑤[鋼構造設計規準2005 許容応力度設計法]
⑥[鋼構造塑性設計指針1975]
⑦[建築耐震設計における保有耐力と変形性能(1990)]
⑧[鉄筋コンクリート造建物の靭性保証型耐震設計指針・同解説1999]
⑨[鋼構造限界状態設計指針・同解説1998 SI単位版]
⑩[各種合成構造設計指針・同解説1985]
⑪[コンクリート充填鋼管構造設計施工指針1997]
その他の規準類 ①国土交通省他[2001年版 建築物の構造関係技術基準解説書]
②国土交通省他[2007年版 建築物の構造関係技術基準解説書]
③日本建築センター[冷間成形角形鋼管設計・施工マニュアル2003]
④新都市ハウジング協会[コンクリート充填鋼管(CFT)造技術基準・同解説の運用および計算例等2005]
⑤日本建築防災教会[2001年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・同解説]