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2015.11.02

【"耐震を考える"セミナー】セミナー後記

“耐震設計を考える”と題して、各分野でご活躍の先生方を講師としてお招きし、課題や実験等を実施していただく、参加・体験型セミナーを全国3会場(福岡、東京、大阪)にて実施致しました。
お忙しい中ご参加頂いた皆様に御礼申し上げます。
各セミナー会場の様子と、ご参加頂いた皆様の声の一部ご紹介します。


>福岡「耐震設計の本質を視える化して学ぶ」~耐震安全性をわかりやすく説明するためのヒントと知識を実地に学ぼう~(福和伸夫氏)
>東京「耐震設計法の変遷と将来展望」~2015年6月施行の法令改正について考える~(石山祐二氏)
>大阪「耐震設計からエネルギーの構造デザインへ」~華麗でタフな構造デザインを目指して2015~(竹内徹氏)


福岡会場 2015年10月10日(土)


■「耐震設計の本質を視える化して学ぶ」~耐震安全性をわかりやすく説明するためのヒントと知識を実地に学ぼう~
■講師 福和伸夫氏【名古屋大学減災連携研究センター長・教授/大学院 環境学研究科都市環境学専攻建築学系(兼務)】
※主催:(社)日本建築構造技術者協会九州支部
 協賛:(株)NTTファシリティーズ総合研究所

福和先生からは、地震による地盤の揺れ方と建物の揺れ方について、プリンやお菓子、竹ひご、消しゴム、紙など身近な日用品を使って解説頂きました。地震や構造設計についての初心者に対しても、耐震安全性をわかりやすく説明するためのヒントと知識を実験形式でご説明頂きました。


実験教材「紙ぶるる」を使った振動応答の実験の様子

【ご参加頂いた皆様の声】(アンケート結果より)


・ずいぶん前の新聞の人欄で福和先生が紹介されていた。興味を持っていた「ぶるる」が手軽に体験できる形にバーションアップされていたのに感激しました。家でじっくりやってみます。

・「見える化」はよく耳にする言葉だが「わかりやすさ」は時として軽く扱われがち、これが設計者の高慢さと今日の講義で気付くことができた。レベルの高い「見える化」ができるよう勉強が必要と実感できた。

・静的解析は法令に基づいて行っているが、いつの時代か動的解析が主流になるだろうと感じた(地盤との相互作用も含めた)

・とても勉強になる講義でした。まだ構造設計の仕事を始めたばかりなので、勉強不足なことばかりでよくわかっていませんが、本日の講義で今やっていることが、どれほど大切なことなのかを改めて実感しました。実際に物を使って体験することで、頭の中で考えるだけのことが目で見ることにより、こんな感じになるんだと考えがわかることもあり、本日の講義を聞くことができ、本当にためになりました。ぜひ、名古屋大学の施設にも行ってみたいと思いました。本日は講義ありがとうございました。

・お客さんと取引するにあたり、建築を取り巻く周辺知識を分かり易く説明することの大切さを改めて考えさせられました。また、許容応力度設計の疑問点(改善点?)についての話は、大変興味深かったです。

東京会場 2015年10月15日(木)


■「耐震設計法の変遷と将来展望」~2015年6月施行の法令改正について考える~
■講師 石山祐二氏【北海道大学名誉教授】

新耐震設計法の策定に携わられた石山先生より、耐震設計法の変遷と新耐震設計法の本質について、分かり易く解説して頂きました。
なお、東京会場は早々に申込定員に達しました。お申込できなかったお客様にはお詫びを申し上げます。


ご講演中の石山先生


Ai分布の設計法策定など、裏話を交えながら講演頂きました



【ご参加頂いた皆様の声】(アンケート結果より)


・構造設計をする者としてとても興味深い内容で、ハッとさせられるような内容だった。セミナーに参加できて良かったです。

・石山先生しか知らない秘話をたくさん聞かせてもらい、大変面白かった。私は既に石山先生と同年代で現在実務設計を行うことはないが、現役時代を思い、今日の石山先生の話の中から昔を思い出し、新たな耐震知識が増した。現在、コンサル(工事監査)の仕事をしており、今日のセミナーは大変役に立った。

・「基礎や杭の緊結は不要!」という講演内容に興味を引かれて、この講演に参加しました。現実の設計では、殆どの場合、杭頭固定で設計し杭頭筋を基礎内に定着させている。今日のご講演内容を生かすために現状設計法をどう改善すべきなのか、にわかには考えが及びませんが壁の有効利用も含め、先生の明解なご主張に眼を開かれた気がしました。

・地震外力の考え方など詳細が聞けて大変参考になりました。また、基準の表面をなぞるものではなく、建築物の事を考えた耐震壁の活用の提案などは大変共感しました。

・構造設計5年の初心者ですが、とても分かり易く興味深く聞かせていただきました。

・現状の問題点、将来への展望、要望項目、具体的に壁の効果は同感。設計の流れ他説明が分かり易く、講師の思いが良く伝わってくる!!石山祐二先生に感謝!!

大阪会場 2015年10月23日(金)


■「『耐震設計からエネルギーの構造デザインへ」~華麗でタフな構造デザインを目指して2015~
■講師 竹内 徹氏【東京工業大学教授】

竹内先生からは、研究と平行して様々なエネルギー吸収部材を利用した最新の構造デザインの実施例を解説頂きました。従来の保有耐力計算や架構の崩壊形にとらわれない、より自由な構造デザインとその魅力や可能性についてお話し頂きました。


セミナー中、竹内先生から演習課題を出して頂きました


【ご参加頂いた皆様の声】(アンケート結果より)


・実際に設計された建物についての解説は、実務で参考になる。

・構造設計の経験が浅く、難しい内容もありましたが、写真、スライド等が多くとても参考になるセミナーでした。セミナー中の計算問題も頭を使うということでリフレッシュになります。これからのセミナーでもさまざまな観点からの内容が実施されることを楽しみにしています。

・エネルギー吸収の効果的な方法について、実例を交えてわかり易く説明されていた。今後の実施物件について参考にさせていただきたい。

・今までは力比べ(耐力)でしか評価しなかったことも、エネルギーに着目すれば従来と違う解決法で建物の使用勝手も良く、耐震性能が向上するという事例を教えて頂けた。今後はエネルギーへの理解を深めたいと思いました。とても充実していました。ありがとうございました。

・ヒューズを使ったエネルギー吸収や伝統木造構法の耐震補強は、今後の設計に活かせそうな気がします。いいヒントをいただきました、ありがとうございました。

・大型体育館の耐震改修を手掛けていたので、大変参考になりました。